紅鍵の日記帳

僕のオタク的な活動の記録(ライブレポ、感想記事等)

仮面ライダーオーズ10th 復活のコアメダル 感想記事

 

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はじめに

 仮面ライダーオーズ10th復活のコアメダルを見てきたので、感想記事を。現在賛否両論で波乱の本作。最初に私は「内容肯定 映画全体として否定」という立場です。仮面ライダーオーズは自分の人生観に多大な影響を与えた作品であり、やはり見ておかなくてはということで公開して早いうちに見ることを決意しました。予告の段階では、オーズに続編を作ること自体を否定はしてませんでした。それよりも「オーズの完結編はあの結末から一歩進んで何を伝えようとするのか」という方が興味があったし、やはりオーズだからということもありある程度信頼しつつ楽しみにしていました。結果としてはどうしてこうなったという感じですが、言いたいことは山ほどあるけどツイートだとネタバレ満載なので、ここに書くことにします。

 

【追記】本作に対する意見が変化したので、「内容肯定 映画全体として否定」という評価からともに否定という立場に変わりました。内容面についても映司の死が前提となる脚本作りに必然性が感じられなくなり、『アンクの復活・映司の死』による最終回の反転ありきで作られたかようにしか思えなくなったためです。 

 

 

ちなみに日記要素ですが、この日は

・オーズをせっかくバイト終わりにバイタリティ発揮して見に行ったら微妙だった

遊戯王の制限改訂前にヴェルテ・アナコンダを「どうせ禁止にならんでしょ、禁止にならなくてまた高騰する前に買うべ!」と考えて買ったら、その日のうちに無事禁止カード行きが発表され、1500円ドブにしてた(オーズ込みで3000円ドブに捨ててる)

・第一志望の企業のES落選してた

が一気に起こるという厄日でした()

その日フォロワーとエンカできて嬉しかったのが唯一の救い(いや、1日で色々ありすぎだろ!)

 

 

感想

 なんといっても、本作が今までと大きく違う点は『アンクが主人公』で『火野映司は死んでいる』でしょう。特に映司にゴーダが憑依してることで生きながらえてる(?)のは、本編でアンクが泉信吾に憑依してるのと逆の展開で面白かったかなと思います。そして最後の最後にゴーダが離れたところにアンクが憑依し、本編で見ることがなかったアンク憑依映司が見れたことは非常に熱い展開なのかなと思います。それによってタジャドルコンボエタニティに変身できるというのは本当に激アツな見せ方ではあったと思います。本作は最終回の反転版という印象はここから来ていて、最後に「映司が死ぬ」という結末はそのコンセプトからは必然性があるし、納得できるものだったと思います。ただ

 

尺が短すぎるんじゃ!!!!!!!

 

本作がよくなかった点のすべてはここに帰着します。ほんとまじでなんで58分やねんと。それもあのオーズの10年越しの完結編ですよ?? この内容で行くならそれこそシンエヴァとかみたく3時間近い上映時間は確実に必要でした。

 その結果どうなったかというと、あらゆる場面、要素が薄っぺらに感じられてしまいした。映司が過去に救えなかった少女に重ねられる泣いている女の子が出てきますが、映司が800年前オーズにやられる直前にとってつけたかのように出てくるわ、敵側(800年前オーズ、ゴーダ)の動機や思想が全く語られないわ、なんで映司が願っただけでアンクのコアメダルが復活したのかも説明なしだわで、首をかしげながら見る場面が多かったです。

 そのため、映司の最期を見て感動して泣くことができなかったです。僕のよわよわ涙腺なら「映司...(泣)」となるはずなんですが、それが叶わなかったのが本当に残念でした。あれじゃ否定派が多くなるのもやむなしですね。あの説明じゃ、映司が死ぬということに納得できないでしょ。「映司が欲望を叶えて死ぬ」という結末でみなを納得させらなかったというのが、本作の未熟な点だと思います。肯定派の人の意見を見ても、自分で自分を説得させられてるからというふうにしか見えなかったです。決して本作の良さによって突き動かされたからには見なかったです(ここらへんは否定派ゆえの偏見です。すみません)

 

 あんまりダメだったとこ語っても仕方ないので、その他よかった点を述べていきます。

 ウヴァが「俺に任せ」と意気揚々と襲撃しに行ってボコボコにされるのは、本当に本編のまんま過ぎて笑ってました。同時にとても懐かしい気持ちになれましたね。

 ゴーダ憑依の完全制御プトティラとかいうのは、本編では見るのが難しかったですよね。ゴーダの気性も相まって生き生き暴れている様が見れて「プトティラかっけー!」となっていました。

 あとはエンディングで流れたOPのAnything Goes!がとても懐かしい気持ちになって、涙があふれてきました。本作の内容それ自体では泣けなかったのですが、やはり主題歌は偉大だって思いました。

 

 

どうすればよかったか・どうして欲しかったを考えてみた

 大前提として尺を2時間~3時間程度に伸ばした上でのどうすればよかったか、どうして欲しかったかうを考えました。これは人それぞれの考えがあると思うので、あくまで僕の個人的な願望として見てもらいたいです。

 思いついたのは「ゴーダと取引をしたことでアンクを復活をさせたことにする」です。これは裏設定とかで語られそうな気がします。映司の欲望から作られたグリードがその誕生過程において、映司の欲望を叶える代償としてその肉体を完全に乗っ取るというのがよかったかなと思います。う~ん、それでも死体の映司の体で等価交換になってる気がしないので、映司が死ぬのは最後に回して、ゴーダに乗っ取られてるだけにするのも手だったかなと思います。いかんせんゴーダという新たに加えた要素を適当に扱いすぎだったので、そこを改善してくれればと思います。

 そして「ゴーダ=かつての映司が願ったどこまでも届く腕という欲望、それを暴走させ最強の力得たいために800年前オーズの力を欲する」とするのが敵役としては成り立つでしょう。一方で、映司は本編最終回で分かった「どこまでも届く腕=手をつなぐことで手に入るということ」を強調するのが筋かなと思いました。なのでアンクが復活し、最後に共に戦えたことでみんなを救えたことを表現し、「アンクと共に戦ったから手が届いたんだ」という結末の方が説得力が上がっていたかなと思います。それが本作では、TV本編同様自己犠牲で女の子救ってたみたいになってたのが、本当に雑さを感じてしまいました(あの爆発で映司が女の子が死んで生きてるのも不自然だし)あのころから10年経ってるのに、全然進歩が見られないというのが残念でした。

 最後により抽象的にどうして欲しかったのかというと、「前に進んでる感」が欲しかったんです。本編最終回ではアンクが納得したうえでというのが、ちゃんと伝わったからこそ本当にこれで良かったと思えました。一方本作では尺のなさ、映司がすでに死んでいることも相まって彼の口から語られることがほぼなかった。彼が何を思いその結論を出したのか、それはあの頃から進んだ結果出せたものなのか。見てる側に伝わってこないものが多かったです。それゆえあの結末も「アンクを生き返らせる」「救えなかった女の子を救う、それに固執し自己犠牲もいとわない」こういったどちらかというと後ろ向きな面に目がいってしまい、とても前向きに「これでいいのだ」とはなれなかったです。

 「アンクが蘇り映司が死ぬ」「最終回の反転版」こういったやりたいこと先行で、肝心の中身が伴わなかったというのが本作の最大の失敗であり、多くの否定派・納得できない人が出てしまいました。

 

 

総評・おわりに

 こんなはずじゃなかったのですが、ほぼ批判記事になってしまい悲しい限りです。かといって本作がいらなかったか?と言われれば、それも違う気がするのが余計に胸が痛い。あの内容、あの結末にするにはあまりにも短く、駆け足で雑な作りだったのが本作の明暗を分けてしまったと思います。叶うならば、本作をリニューアルして作りなおしてほしいです。

 オーズの放送当時からのファンとして、これを完全に肯定すべきではないというのが僕の本作へ出した結論です。歴代ライダーの中で一番好きな作品であっただけに、本当に残念でした。ですが、その方向性は間違ってない部分も多かったと感じているので、内容それ自体を完全否定するのではなく、丁寧な作品作りをしてなかったことにのみに留めていきます。みなが納得できる「いつかの明日」が来ると信じています。

                                 

おしまい

 

【追記】(2022/03/23)

 色々考えたけど、復活のコアメダルのこの結末自体間違ってるんじゃないかと考え方が変わりそうになってます。最終回の最後らへんを踏まえると、ああはならなかったんじゃないかなと。